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インプラント治療のリスク「歯性上顎洞炎」とは?症状や治療法を解説
- 2023年8月7日
- インプラント治療のリスク「歯性上顎洞炎」とは?症状や治療法を解説
皆さん、こんにちは。蓮田市にある蓮見歯科医院です。
丈夫で見映えがいいことから人気のインプラントですが、いい面ばかりではなく、いくつかのリスクも存在することを忘れてはいけません。特に、上顎へのインプラントには上顎洞炎を発症するリスクが伴うため、注意が必要といわれています。
今回の記事では、この上顎洞炎の特徴や、発症するとどのようなリスクが生じるのか、治療法などを解説します。上顎洞炎を通してインプラントには便利さだけでなく、リスクも伴うということを覚えておきましょう。
目次
そもそもインプラント治療とは?
インプラント治療は、失った歯を人工の歯根を用いて補う治療法です。
まず、歯が失われた箇所の顎骨に、チタン製のインプラント体を埋め込みます。インプラント体は自己組織との親和性が高いため、顎骨と自然に結合し、安定した基盤を形成できるのです。顎骨との結合が完了したら、その上に人工の歯(クラウン)を固定します。
インプラント治療は、自然な見た目と噛み心地、そして機能性を実現できる治療法です。入れ歯やブリッジなどのほかの治療法と比較して、より自然な見た目と噛む力を提供することができるため、多くの患者さんに選ばれています。
ただし、インプラントの手術には一定のリスクが伴い、患者さんの健康状態や口腔内状態、骨の量・質などが影響します。治療費用は高額ですが、適切なケアとメンテナンスで長期間使うことが可能です。
上顎のインプラント治療が難しいといわれる理由
上顎のインプラント治療が難しいといわれる理由は、手術をする部位と手術の複雑さから来ています。
まず、上顎骨は比較的薄く、骨質も柔らかいことから、インプラントを安定させるのが難しいとされている部位です。また、上顎には大きな気室である上顎洞が存在しており、この上顎洞にインプラントが近接しすぎると上顎洞炎を発症するリスクがあります。
上顎洞炎は症状が重いものだと、慢性的な痛みや呼吸困難を引き起こす恐れがあるため、慎重な治療計画と高度な技術が求められるのです。これらの理由から、上顎のインプラント治療は難しいといえるでしょう。
上顎洞炎とは
上顎洞炎とは、目の下に位置する空洞部分の「上顎洞」と呼ばれる頬骨の中にある、空洞内の粘膜が炎症を起こす病気です。原因と症状の現れ方によって、鼻性上顎洞炎と歯性上顎洞炎の2種類に分類されます。それぞれの上顎洞炎の特徴を解説します。
鼻性上顎洞炎とは
鼻性上顎洞炎とは、鼻から上顎洞につながる通路が何らかの原因で閉塞し、そこに菌が繁殖して起こる炎症のことを指します。
上顎洞は、私たちの頬の部分に存在する空洞で、ふだんは鼻とつながっている部位です。風邪を引いた際などに鼻が詰まり、この通路が詰まることで炎症が起きやすくなります。
歯性上顎洞炎とは
歯性上顎洞炎は、歯の感染症が上顎洞に広がった状態のことを指します。
上顎洞炎は原因によっていくつかの種類に分けられますが、歯性上顎洞炎はその中でも特に歯からの感染により生じる上顎洞炎です。この上顎洞炎は、特に上顎の奥歯付近から感染が始まることが多いとされています。
鼻性上顎洞炎の症状・原因・治療法
症状
前述のとおり、鼻性上顎洞炎は、顔面骨に存在する空洞部分である上顎洞が炎症を起こす病態のことを指します。
症状は患者さんによって異なりますが、一般的には慢性的な鼻詰まりや鼻水、頬部や上顎歯の痛み、頭痛、臭覚異常などが見られるでしょう。また、感染が長期化すると症状が軽減して無症状になることもありますが、その際も体内に感染源が存在するため注意が必要です。
なお、これらの症状が重度で長期間続く場合や繰り返しする場合は、慢性鼻性上顎洞炎の可能性があります。
原因
鼻性上顎洞炎の原因は、主に鼻腔内から直接感染が広がることで、風邪やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲などによる鼻の通り道の悪化、歯科感染症などが該当します。また、鼻腔内の異常だけでなく、免疫力の低下、喫煙、ストレス、栄養状態の悪化など全身的な要素も影響します。
治療法
鼻性上顎洞炎の治療法は病状により異なりますが、基本的には抗生物質の内服や点鼻薬の使用などで感染を抑制します。重症の場合や症状が長期化する場合は手術が必要な場合もあるでしょう。鼻腔内の不具合が原因の場合は、鼻中隔湾曲矯正術や鼻茸除去術などが行われます。
また、予防の一環としては十分な休養や栄養摂取、禁煙、手洗いやうがいなどの感染症予防も大切です。
歯性上顎洞炎の症状・原因・治療法
症状
歯性上顎洞炎の主な症状は、頭痛や頬の腫れ、顔面痛、鼻詰まり、鼻水、口臭、倦怠感などです。特に、前歯の痛みや、押さえると痛むなどの症状が現れることが多いでしょう。
痛みは一時的なものから慢性的なものまで、その程度はさまざまです。このような症状が見られた場合は、放置せず速やかに耳鼻咽喉科または歯科医院を受診しましょう。
原因
歯性上顎洞炎の原因は、歯や歯根尖からの細菌感染が上顎洞に広がり、炎症が起きることです。主な要因は虫歯や歯周病で、これらが進行すると歯の神経まで細菌に侵食されることがあります。これにより細菌感染を引き起こす可能性があるでしょう。
また、歯根尖周囲炎や歯科治療後の感染も原因となることがあります。
治療法
歯性上顎洞炎の治療法は原因や症状の程度によるため、歯科医院を受診して診察を受けましょう。初期のうちであれば、抗生物質を使用して炎症を抑えられます。
しかし、症状が重くなると上顎洞の手術が必要な場合があるでしょう。さらに重症の場合は、原因となっている歯を抜歯するケースもあります。悪化すると対応が困難になるため、症状が出たらすぐに歯科医院を受診し、適切な治療を始めることが大切です。
なお、無症状であっても感染している可能性があります。定期的に歯科検診を受けることが予防につながるでしょう。
歯性上顎洞炎の方でもインプラント治療は受けられる?
歯性上顎洞炎の患者さんでも、必要に応じた治療を行い、安定した状態になればインプラント治療を受けられます。
しかし、歯性上顎洞炎は歯根尖部周囲炎が上顎洞に進行したもので、上顎に位置する口腔内の感染の一種です。上顎骨や上顎洞に問題が生じている可能性があるため、歯科医師による十分な確認が必要といえるでしょう。
歯性上顎洞炎の治療は、原因となる感染源を除去し、上顎洞炎が完全に治癒することが大前提です。原因となる歯の抜歯が必要な場合もあるでしょう。その後、上顎骨の状態や口腔内の健康状態がインプラント治療に適しているかを確認したうえで、治療計画を立てます。
上顎洞の骨が薄いなど、インプラント治療に適さないことが確認された場合、骨造成手術などさらなる手術が必要な場合があるでしょう。そのため、治療は慎重に進められ、専門的な知識と技術をもった歯科医師による診断とアドバイスが必須といえます。
まとめ
インプラント治療は、丈夫で見栄えがよく、人気の治療法です。
しかし、メリットがある反面、上顎洞炎を引き起こすなどのリスクもあることを十分に理解することが必要といえるでしょう。また、場合によっては慢性的な痛みや呼吸困難を引き起こす可能性もあることも覚えておいたうえで、メリット・デメリットの双方を理解し、インプラント手術を検討しなくてはいけません。
さらに、インプラント治療を受けることを決めた時点で上顎洞炎を発症している場合には、どんなに急いでいても、まず治療が優先されます。上顎洞炎の治療が済み次第、インプラント治療の計画に進むでしょう。
このほかにも、上顎洞の骨が薄いなど、患者さんの歯茎や顎骨の状態は異なります。インプラント治療で大きなトラブルが起こらないよう、担当歯科医師と相談しながら、慎重に進めていきましょう。
インプラント治療に少しでも興味のある方は、蓮田市にある蓮見歯科医院にお気軽にご相談ください。