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インビザラインの「遠心移動」とは?遠心移動をしたほうがいい歯並びや方法について解説!
- 2023年2月22日
- インビザラインの「遠心移動」とは?遠心移動をしたほうがいい歯並びや方法について解説!
皆さん、こんにちは。蓮田市にある蓮見歯科医院です。
インビザライン治療は、透明のマウスピースを装着して歯並びをキレイにする治療法です。目立ちにくく人目が気にならないなどの理由によって、インビザラインの人気は年々高まっています。インビザライン治療をしたことがない方は「マウスピースをはめるだけで、歯が動くのか」と不思議に思うかもしれません。
そこで今回は、インビザライン治療で歯を動かす方法の一つである「遠心移動」について、わかりやすくご紹介します。今後インビザライン治療を検討している方や、現在インビザライン治療中でより詳しく知りたいという方は、ぜひ記事を読んで理解を深めましょう。
インビザラインの遠心移動とは?
矯正で歯をそろえるためには、まずは歯を動かすスペースを確保する必要があります。スペースを確保する方法の一つが「遠心移動」です。「遠心移動」は、インビザライン治療に限らず、ワイヤー矯正でも用いられる一般的な治療法です。
歯を後方に動かしてスペースを確保する
歯の奥側を「遠心」といい、前側を「近心」といいます。遠心移動とは歯を奥側に移動させることで、後方移動ともいわれます。
歯を奥側に動かすことで、前方に歯を並べるスペースを確保できます。前歯が出ている、歯が重なっている原因として、主に歯が生えるスペース不足が挙げられます。歯が生えるとき、歯の大きさに対してスペースが狭いため、横に飛び出て生えてくるのです。遠心移動により歯を少しずつ後方に移動させてスペースを作ることで、歯並びを整えて美しい口元を作り上げます。
遠心移動をするメリット
インビザラインで遠心移動をするメリットをご紹介します。遠心移動をするメリットは、以下の4つです。
抜歯をせずに治療できる場合がある
歯を抜くと簡単にスペースを作れますが、健康な歯を抜くことに抵抗を感じる方もいるでしょう。インビザラインで歯を遠心移動ができれば、歯を抜かずに治療できる可能性があります。
ただし、骨格や歯並びの重症度によっては、歯を抜かないと治療が難しいケースもあります。
拡大装置を使わない
歯のスペースを確保するために、顎を広げる装置を使うことがあります。拡大装置は、ワイヤー矯正で歯並びを整える前に使用する一般的な矯正装置です。
インビザラインで遠心移動ができれば、拡大装置を使わずにマウスピースだけで治療できます。
スクリューを埋め込まなくてよい
スクリューとは小さいネジのことで、歯茎の上から骨にネジを埋め込みます。スクリューと歯にゴムを引っかけて力を加えることで、効率よく歯を動かせます。骨に空く穴はごくわずかで、スクリューを除去したあと自然に治ります。
しかし、スクリューが途中で外れた場合は、場所を変えて埋め込まなければいけません。スクリューの周囲に汚れがたまると、炎症を起こし化膿するリスクがあります。マウスピースで遠心移動できれば、スクリューの使用を避けることが可能です。
大がかりな装置がいらない
奥歯を後方に移動させる場合、頭にヘッドギアを付けて歯に力を加えることがあります。歯を動かすために有効な手段ですが、装置が大きく日常でも使いづらいため、嫌がる方が多くいます。
インビザラインで遠心移動をする場合は、マウスピースと、必要であれば小さなゴムを使用するだけで大きな装置は使いません。装置がなくなれば、ストレスも軽減できるでしょう。
遠心移動をしたほうがいい歯並び
歯並びや顎の形は千差万別で、適している治療法も人によって異なります。遠心移動で整えることができる歯並びをご紹介します。
遠心移動をしたほうがいい歯並びは、以下の3つです。
重なっている歯並び
八重歯のように歯が重なったり本来の歯列からずれたりするのは、歯の大きさに対するスペース不足が原因です。歯を奥に押し込み、スペースを確保することでガタガタの歯並びを整えることができます。
しかし、重度の歯列不正はインビザラインだけで治療することが難しく、歯を抜く可能性があります。
出っ歯
上の前歯が前に出ている場合、上の奥歯を遠心に移動することで、出ている前歯を後方に下げることができます。出っ歯の度合いが大きく、顎の形に問題があれば、インビザラインの遠心移動だけでは歯並びを改善できないケースもあります。
受け口(反対咬合)
正常な噛み合わせは、上の前歯が下の前歯を少し覆っている状態です。受け口のように下の歯が前に出ている、上下の前歯の先端がぴったり合っている状態は不正咬合です。
遠心移動で下の奥歯を後方に押し込みスペースを確保します。そのあと、前歯を後方に下げて全体の歯並びを整えます。
しかし、骨格に問題がある場合は、抜歯や外科手術が必要になることもあります。
遠心移動の方法
インビザラインで歯を遠心移動する具体的な流れをご紹介します。
- 1.一番奥の歯を後方に移動させる
- 2.スペースができたところに、奥から2番目の歯を後方に移動させる
- 3.同様に奥から3番目、次に4番目の歯と順番に後方に移動させる
- 4.最後に前歯の歯並びを整える
例えると「一列にすき間なく押し出されたように人が並んでいて、窮屈なので端の人に少しずつずれてもらい、列を整えて並び直している状況」を想像してもらうとわかりやすいでしょう。
遠心移動だけでスペースを確保できない場合
インビザラインの遠心移動だけでは十分なスペースを確保できない場合があります。遠心移動でスペースを確保できない場合は、ほかの方法と組み合わせて歯列を整えるためのスペースを確保します。
遠心移動だけでスペースを確保できない場合の方法は、以下の4つです。
重度の歯列不正は抜歯をする
抜歯の第一候補は親知らずです。
親知らずが埋まっていると、歯を後方に動かすことができません。親知らずを抜くことで、後方にスペースを確保できます。親知らずを抜いても、顎の小ささや歯の大きさが原因でスペースが足りないときは、小臼歯(4、5番目の歯)の抜歯を検討します。
上下のマウスピースに顎間ゴムをかける
上下のマウスピースにフックを付けて、フックに顎間ゴムをかけます。マウスピースの矯正力とゴムの力を組み合わせることで、効率よく歯を移動させます。また、顎間ゴムには、奥歯を後方に押し込むときに前歯が前に出るのを防ぐ役割もあります。顎間ゴムは上下にわたるように引っかけるため、食事や歯磨きでは外さなければいけません。
顎間ゴムを使用する際の注意点は、以下の4つです。
- ・マウスピース装着時は常に顎間ゴムを付ける
- ・最低1日1回は新しいゴムに交換する
- ・ゴムの装着時間が短いと、矯正期間が長くなる場合がある
- ・顎間ゴムをかけ忘れると後戻りする恐れがある
インビザラインのマウスピースは1日20〜22時間以上装着する必要があります。顎間ゴムを使用する場合、マウスピース使用中は必ずゴムを付けましょう。「食事のためにゴムを外して、うっかりつけ忘れた」ということが続くと、予定通りに治療が進みません。
また、ゴムを付けていない時間が長くなると、後戻りする恐れがあります。その結果、治療期間が延びたり、骨の吸収が進むなどのトラブルが生じる可能性があるでしょう。
歯を少しずつ削ってスペースを確保する
抜歯ほどのスペースを作ることはできませんが、歯の両端を少しずつ削ることで、一定のスペースを確保できます。インビザラインの遠心移動と歯を削ることでスペースを確保し、歯を抜かずに治療できる場合があります。
顎を横に広げる
遠心移動だけではスペースを確保できない場合、顎を横に広げてスペースを確保する方法があります。インビザラインと拡大装置を組み合わせることで、効率よく歯を動かし治療期間を短縮できます。
遠心移動をする際の注意点
歯を動かすスペースを確保するために有効な遠心移動ですが、注意しなければいけない点があります。
遠心移動をする際の注意点は、以下の2つです。
奥にスペースがない場合は遠心移動できない
そもそも奥にスペースがなければ遠心移動はできません。
もともと顎が小さく親知らずがないケースや、親知らずが深く埋まっていて抜歯ができないケースがあります。スペース不足で遠心移動ができない場合は、抜歯や顎を横に広げてスペースを作らなければいけません。
歯を動かす時間がかかる
遠心移動は歯を1本ずつ動かすため、抜歯や歯を削る方法に比べて時間がかかります。マウスピースを装着する期間が長くなるため、治療を短期間で終わらせたい方にとってストレスに感じるかもしれません。
まとめ
今回は、インビザラインの遠心移動について詳しく解説しました。
矯正では、遠心移動や傾斜移動などさまざまな方法を組み合わせて歯に力を加えます。顎の大きさや形、歯の大きさは個人で異なるため、最適な治療法も変わります。歯科医院で口内の状態を確認し、ご自身に合った治療法を提案してもらいましょう。また、インビザラインの治療費は高額で、時間もかかるため、患者自身のやる気も大切です。治療を始める前に知識を身に付けて、モチベーションを維持しましょう。
インビザラインをご検討中の方は、蓮田市にある蓮見歯科医院にお気軽にご相談ください。